君は僕のもの 【続】
「ほ…本当っ?」
アホ丸出しな感じだったけど。
嬉しくて、びっくりして…それでいっぱいいっぱいになっちゃって。
「俺のこと信用できない訳?」
“絶対服従”まさにそんな感じの瞳で。
樹様って感じ。
それでもその強気な樹と一緒にいるあたし、皆は冷たいなんて言うけど…
何だかんだで優しい所がある。
ていうよりも本当は凄く凄く優しくて。凄く凄く繊細な人なんだ。
「ううん…信じるっ」
「…ッフ、ねぇ。食べさせて?」
そう言って首を何度も振ってから、樹を見上げると顔色一つ変えずにサラッとそう言って見せる。
…た、食べ!食べさせて…っ!?!?
目をパチパチさせて焦って焦って焦りまくるあたし。
食べさせてって何を…?あ、チョコ…?これ?生チョコ?あたしが?え、どうやって?
パニック状態に陥ったあたしをクスクス笑いながら樹は見て。
「百面相してる」
ククッと手を口に当てて面白おかしそうに言った。
「……あっ!…あたしが、だよね?」
眉を八の字にさせて言うと。
少しご機嫌斜めな雰囲気で、
「嫌な訳?」
って言うから。
「ち、違う!!」
少し大きな声であたしは言ってしまった。
すると悪戯な笑みを浮かべた少し意地悪な“王子様”が、口を薄く開いてあたしに求める様な目をした。