君は僕のもの 【続】
あまりにも反応が無い樹に見兼ねて手を伸ばそうとしたその時…
「ちょーっと!!!」
……っ!?
大きな声と足音と一緒に教室の中に飛び込んできたのは…美菜?
さっきまではあたしの問い掛けに一切答えなかった癖に、急な怒鳴り声には気を取られたようにそっちを向いた。
ていうか、美菜…どうしたの?
「ちょ…美菜「アンタでしょーー!?」」
…え、……あ。
あたしの言葉はまるで耳に入らないみたいで目の前を素通り。
それでもって一目散に樹の隣の机に手をつくと、その反対の手で樹のことを指差した。
な…何があったの?!
全くこの状況が飲みこめなくて、あたしは目を真ん丸くさせた。
「朝から何」
嫌そうな顔……
「『朝から何』っじゃねぇよ!!
…アンタなんでしょ!?アンタがやったんでしょ?」
『朝から何』
ってその部分の時、美菜は多分…樹のマネをしてるつもりだったんだろうけど、キザなナルシスと風?
そんなんじゃないのに……
と苦笑い。
同じく樹も思ったのか『ウザ』と一言だけ呟いた。
「ていうかさっきから何?アンタのせいアンタのせいって…」
ハァと樹は深く溜め息。
すると美菜は呆れたように樹と同じく溜め息を吐いて…
「……ホラ、あれ」
そう言ってあたしの後ろを指差した。