君は僕のもの 【続】
グッと潤んだ瞳で俺を見る。
それでも俺自身、全く変な気が起きないから…少し安心。
いくら何でも俺は男だ。
目の前にチラつかされているモノの喰い付かないとも言いきれない。何しろ何度も言うように俺は男だから。
顔は少し女みたいな顔をしてるけど…、
れっきとした男。
そして俺の問いに答えないこの人に何だか苛つきが増してくる。
「俺の質問答えてよ、…アンタの本気って何なの?」
きっと今、俺の腹の中は煮えくり返る勢いで苛々している。
“体だけの関係でもいい”そう言われた時。
何だか俺がそんな安い男に見られてる気がして腹が立った。…この俺が、何でそんなふうに見られなきゃいけないわけ?
それに本気って…?
「……っ」
不意に先輩は俺のマフラーを掴み自分に引き寄せる。
まさかと思えばそのまさか。
っ?!
柄にも無く冷やっとした。
咄嗟にどうやって対応するかなんて思いつかなかったから、…どうにかこの近付く唇を防ぐために自分の手を挟み込むように出す。
……焦った。
「何?」
焦った癖して平然を装っている自分は、うん。やっぱり凄いかも。