君は僕のもの 【続】
「…樹のせいで悪い子だと思われる」
ムッとむくれながら言うあたしを隣で笑みを浮かべながら見る樹。
結局はこの我が儘な王子様のせいで、あたしは学校から一時間も授業に出ずに帰宅。
という有様になってる……
「俺のせい?」
クスッと笑う。
「そうだよ……っ」
『ごめん』くらいの一言、欲しいもんだよ!
…全くこの人は。
もう季節は春に差し掛かってる。
空気は暖かく。
風も心地好く髪を揺らして。
樹の茶色い綺麗な髪も揺れて、凄く絵になるようで…見惚れてしまいそう。
「ねぇ」
「…へ…っ、何?」
ポーッとしてて返事も少し間抜けになる。
「今日言ってたよね、クラス。同じが良いって」
後少ししたらたくさんの満開の花で埋め尽くされそうな桜の木。
それをボーっと眺めるように上を見上げた樹が唐突に呟いてみせた……
それがまた綺麗で、
返事も忘れてそれをジッと見つめた。