君は僕のもの 【続】
ふと頭に浮かんじゃうのは、やっぱり今日あたしが見ちゃった光景と…言われた一言で。
多分、あの人にとってはどうってことないような一言だったのかもしれないけどさ?あたしにはダイレクトに痛い一撃だったよ。
…本当にさ、
「いったぁ…っ?!」
ちょっと不貞腐れながら玄関のドアを無駄に強く開けてみたら、
上手くそのドアがあたしのおでこに当たって、…何か更に負けたような情けないような気持にになって、
どうも泣きそうになるから…困っちゃうな。
「ちょっとどうしたのーっ?」
そんなあたしの悲痛な叫びを聞き付けたお母さんが急ぎ足で向かってくるとそう言った。
「…うーん、大丈夫」
とちょっとまだ不機嫌なあたしは投げやりに言う。
「あ、ちゃんと手洗いとうがいしてよー?
ニュースでやってたけど…大変なんだってよ?今年のアレ!!」
相変わらずなお母さんを尻目にとりあえずその言うことを聞いて洗面所に向かうあたし。
きっと“今年のアレ”とはインフルエンザのことじゃないかなぁ…
とか思う。
「ねぇ?…最近いっちゃん来ないけど、喧嘩でもしたのー??」
「……、」
ワザとなのか?それとも空気が読めないのか?
っていうのは…謎だけどさぁ、
今のあたしにはダイレクトな一撃だったりする。
本日二度目の。ダイレクトアタック。