君は僕のもの 【続】
「……っ…本当のことを、教えて…?」
と今にも消えてしまうんじゃないかってくらいの小さな声でそう言うと、下げ気味だった視線を上に向けて、
俺を見据える様にして見る。
本当のこと…?
本当のことって何??
頭の中でそう考えて見ても、いまいち結論が出ない。
「何それ」
短くそう言ってから再び愛梨の側まで行くと、そのままベッドに腰を下ろした。
ゆっくりと床に向け気味だった視線を心成しか優しく愛梨の方へと向ければ…少しばかり愛梨は俺に向ける視線を強めた。
それでもまだ潤むコイツの目は…どうもよく分からない。
「…先輩、駒川先輩と……何してたの?」
「見てた?」
と俺が言った瞬間。
愛梨の目が大きく見開かれるのが分かった。
「見て…た?」
疑問符が浮かぶその愛梨の問いに、俺は少し焦る。
「……何か、あったんだね…やっぱり」
薄ら笑いにも見える擦れた笑みを浮かべて愛梨はそのまま小さく小刻みに震え始めた。
その“やっぱり”という言葉とさっきの疑問符が何だか一致しない。
そしてふと自分から漂う甘くキツい匂いに気が付く。