君は僕のもの 【続】
けど、
今なんかこういうことを言うのはおかしいような…気がする。
欲しい物。
考えるほどに頭が痛くなってくる。
きっとこれは誕生日にくれるものを聞いてるんだよね?
「…いっぱいあって、分かんない」
結論というか…心の声が漏れる様にポツリと響く。
「だろうね、洋服とかアクセサリーとか食い物とか」
「え…??」
さっきまでの自分自身とのやり取りを見透かしたように樹は言うから…目を見開いたままあたしは驚く。
「ただ聞いてみただけだから…いいよ、考えなくて」
樹の言いたいことがまるっきり分からない。
けど耳元で囁かれた『…いいよ、考え無くて』という言葉に身体がビクッとする。
「…何かずるいよ、樹はいっつも」
ちょっとフテるようにしてあたしは言うと、樹の服の袖をギュゥッと掴んだ。
「そうかな」
クスリと悪戯な笑みを浮かべるとそのまま樹の顔はあたしに接近してきて、柔らかいモノがあたしの唇を掠める様に触れた。
いつもとは違う、触れるか触れないかの口づけに。
妙に心臓が煩い。
「……っ」
樹の繊細な指先があたしの首元に触れる。
そしてその反対の手があたしの制服のワイシャツの中へ滑り込むように侵入してくる。
っっ!!