君は僕のもの 【続】
樹の手によって一枚ずつ剥がされていくあたしの衣服。
この素早さというか…テクニックというか、いつも凄いななんて思っちゃう。
たった一日でこんなにも樹によってあたしの表情であったり気持も変えられてしまうから、やっぱり樹は凄いし。
それと同じくらいに狡くもある。
「愛ちゃん?」
その声と共に絡まる視線。
いつもと違う、少し細められた樹の大人びた瞳があたしの心を擽る。
だからこそ上手く合わせられないその視線から逃れたくて顔を背け逸らしても、樹がそんなことを許す筈も無くて。
すぐにその背けた顔は樹の左手で元に戻されてしまう。
「……っ…」
恥ずかしくって、恥ずかしくって。
こんなこと何度もしてるのに…毎回の事のようにあたしの恥じらう態度は変わることが無い。
「本当…そいうのが、男をそそるんだよ」
低く甘い声で呟かれる。
そうすれば暇を持て余していた樹の右手があたしの足の付け根をなぞり、そこに触れた。
「──…あっ……ん、…!」
思わず零れた声を抑えたくて口を手で覆えばそれが不満なのか、その行為に激しさを加えた。