君は僕のもの 【続】




「だって何?」

愛梨の小さな唇を撫でながら俺は問う。


するといつもの癖か…

目を泳がせて、何か言いたいんだけど言えない。みたいな表情をする。



「ちゃんと教えて?」

少しの柔らかい笑みを浮かべてクシャッと髪を撫でればさっきまでの戸惑う顔は少しづつ無くなる。


…ホラ単純。


「あのね…?

やっぱり不安でね、…樹は、格好良いし……」


そう言ってから一人で『うん、格好良い』と何度も何度も一人で自問自答してるコイツは、本当に謎。


また話が始まるまで少し待つ、


「…けどあたし、大人っぽくないし…色気も無いし中身だって、子どもだし…いっつもいっつも樹のこと困らせてばっかで」


やっぱり、そういうことばっか。

きっとコイツは自分と駒川先輩を比べて見てるんだろうな…なんて思う。


あの人と自分を比べたって何の意味も無いのに。



ていうか…色気って何?


思わず面白くなって笑いそうになる。


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