君は僕のもの 【続】
でも俺が今笑ったらまた変なことを考えだすとか思ったから止めておく。
今のところは。
「色気って…」
でもやっぱり口に出てきたのはこの言葉。
愛梨に色気なんて言葉は程遠い。…別に馬鹿にして言ってる訳じゃなくて、とにかくコイツには必要無いと思われる。
「だって、あたし…スタイルも良くないし、背も小さいし……それに、色気も無いし大人っぽくないし」
さっき言ってたこととあまり変わらない気がするけど、
愛梨が言いたいことはつまりそういうことなんだろうなんて思った。
背が小さいのは仕方ない。
努力したって伸びるわけでもないし…
けど普通に女の中から考えたら愛梨はそこまで背が小さいわけでもない。
160より少し小さいくらいだったような、
……あぁ、
つまりやっぱりまだ駒川先輩を気にしてる、と。
でも、
「もし愛梨が駒川先輩みたいな女だったら、俺は好きになってない」
“駒川先輩”という言葉に驚いたのか…
『何で分かったの?』とでも言いたげな、拍子抜けな顔をする。
「愛梨が…子供で、色気も無くて、
…俺を困らせるから好きになったんじゃない?」