君は僕のもの 【続】
俺的には珍しくよく喋った筈なのに…
肝心のその話した相手は、キョトンとした表情のまま俺を見つめた。
「え…?」
その結果出てきた言葉はコレだし。
そんな驚いた顔しなくてもいいと思う、別に変なことを言ったつもりは無かったし。
「だからそのままだから」
苛々。
もう言い方が刺々しい自分。
「え…っと、樹は大人で綺麗で色気のある女の子のが好きじゃないの?」
きっと愛梨の中での俺が好きそうな女はそんな感じなのかもしれない。
大体そうやって勝手な想像とかされるのは…
「あのさぁ…」
ハァ…っと溜め息を吐いてから、愛梨に触れていた手を自分の頭に持っていき少し頭を掻くような仕草をする。
それでも愛梨はジッと俺を見つめたまま。
「俺の話聞いてた?」
「…うん」
面倒ながらもそう言うとコクンと縦に頷く愛梨。
多分コイツの場合、
聞いてたけど理解出来てないってやつだと思う、だから愛梨は頭が悪いんだよ。本当に。
「俺が好きなのは愛梨、それだけ」