君は僕のもの 【続】




「で、仲直りのエッチみたいな?」

「……っ?」


飲んでいたジュースが丁度良く喉に引っ掛かって、ゴホゴホと咳き込みなが自分の胸を叩く。

未だにそういう話には慣れないあたしは、その聞き慣れないような聞き慣れているような言葉に激しく動揺を見せる。


そんなあたしを見て美菜は楽しそうに笑って、

「顔まで真っ赤になってるし~」

と、馬鹿にしているみたい。


少し息を整えてから『これは噎せたからだ』と何度も何度も反論したけど全く聞く耳を持ってくれない。

相手が悪かったかも…


「でもま~、そこが愛ちゃんの可愛い所じゃないの?」

美菜の隣に座っている翔太くんがいつもの笑みを浮かべながら、定食のトンカツを一切れ口に放り込んだ。


「確かに確かに」

まだ笑いながら美菜は皮肉っぽくあたしに言うと、翔太くんの定食に付いてきた野菜サラダにドレッシングを掛けている。

美菜のダイエットは再び再開されたらしく、
『野菜しか食べない!』なんてこないだ皆の前で宣言していたような…気がする。


それに引き換えあたしはと言うと…

願望だけに実行には移さないタイプのようで、甘い甘い生クリームたっぷりのドーナツを頬張ってる。


美菜のサラダと自分のドーナツを交互に見ては、結局また少しだけ焦ってみたり。



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