君は僕のもの 【続】
「だ・か・ら!…今日は愛ちゃんのBirthday!!でしょ?」
やけに発音の良い翔太くんの“バースデー”。
「何で英語よ、」
馬鹿にしたように美菜は笑って翔太くんのことをバシッと一発だけ叩いた。
それでもって樹も見下すような瞳でそれを見ている。
…あらら、
「でも…二人でまったり過ごすんでしょう?やっぱり」
と、美菜は翔太くんのことを掴みながら言う。
「うーん、どうなんだろう?」
それに対して疑問形で返せばその通りの疑問形の言葉で返される。
するとそれに対して冷たーい視線を送りながら、
「何で疑問形?」
と不服そうな樹の目。それと声。言葉。
な…何で、って。
「だって…あたし何も聞いてないもん!」
食堂のテーブルから立ち上がってあたしは言う。きっと樹のその『何言ってんの?』みたいな冷めたセリフと態度に何故か苛っとしたわけで。
大体今日の朝も樹、…普通なんだもん。
いつもと変わんないし何も変わんないし、いたって普通で普通すぎるし。
「言わなきゃいけないわけ?」
それでまたいたって普通にサラッと言うと、おにぎりをパクリ。
「…あ~嫌な雰囲気」
「ね?」
心配そうな翔太くんの言葉に面白そうな美菜。