君は僕のもの 【続】
「自分から愛梨に酷いこと言ったくせに…結局は気になるんだね、矢上は」
サラダのレタスか何かをフォークでグサグサと差しながら、
俺にそんな嫌味全開なことを言い出す。
だから…苦手。
「いっちゃんは素直じゃないから」
「うるさいんだけど」
「…何で俺だけ怒るのっ!?」
よく分からないけど翔太は真剣に傷付いてるらしく…
悲しそうな顔をする。
「あーあ…、翔太が可哀想じゃないっ!!」
いや、訳が分かんないし。
むしろ…うん、分かんないし。
「矢上の鬼!…そんなんだからいつも愛梨を悲しませんだよーっ!!
だから不安になるんだよ、愛梨はいつもいつもいつも」
“いつも”って4回くらい言われた。
ていうか何で俺が今、怒られてる感じになってるんだろう…?
やっぱり訳が分かんないし。
「…いっちゃん酷い、」
まだ言うのか。
と、思いつつも黙っておく。
もう喋ることすら面倒に感じられるから…かな。
その時だった──。