君は僕のもの 【続】




「えーっ?何で美菜と樹は通じ合ってるわけ?ね?ね?どうして!?何で!?!?」


「……。」


俺と早川は別に通じ合ってる訳じゃない。

少なくともただ俺の考えが早川に読めただけのことで、それ以上の通じ合いなんて言葉はここでは成立しない。


なのにこの馬鹿男の脳内は勝手な盛り上がりをみせている。

こういうどうでも良い無駄な時間がそれだけ俺の首を絞めることになってることか…



「違う違う、美菜は別に矢上と通じ合ってるわけじゃないよ?」


「そうなの…?
マジ本当に美菜ちゃんは可愛いから心配…」



くだらない。

くだらな過ぎる。


しかしここで肩を落としている時間も無く。
この瞬間で俺の嫌な予感と気配は確実なものとなり…



「「─矢上くんっ!!」」


…きた。



珍しく多分今の俺の表情は困っているか…いつも通りの苛々した感じ前回の嫌そうな顔か。
まぁ、そんなのどうでもいいけど、とにかく今は後ろを振り向いてはいけない。


こればっかりを頭の中で考えてからとりあえずそのまま席を離れて歩き出す。…行先は決まってないけど、とりあえず目的は愛梨でも探そうかな、



なんて。思ってみたり。


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