君は僕のもの 【続】




しかし、物事がそんな簡単に上手くいくわけも無い。


「ねぇ矢上くん待って!」

「…ちょっと話したいの!!」


背後から聞こえるやけに甲高い女の声。

足音的に人数は3、4人くらいじゃないか…と思われる。


面倒だけどとりあえず後ろを振り返ってみると、少しじゃなくてかなり驚く。俺の想像人数3、4人を大きく上回り。

見た感じで10人くらい。



わざわざこんな、何がしたいんだよ。って思う。


「…何?」

冷たくそう言い放つとまたまた俺が驚くような反応をされたから、


「キャァーッ!!…ほんと冷たいっ」

言葉といい方が一致しない。


何でそんなに喜んでるわけ?ていうか…え?

冷たいのが最近のブームなわけ?テレビとかで流行ってるとか?


とにかく今の俺には疑問符ばかりが浮かんでは増えて、とにかくそれが何度も何度も繰り返し続く。エンドレスに。



「本当に矢上くんって冷たいんだね!!」

「さすが“氷の王子”だよ~」

「…今どうして彼女と一緒にいないの?」

「コーヒー牛乳が好きって本当!?」

「今日って噂で聞いたけど…桐島さんの誕生日なんだよね??」


次々に浴びせられたこの質問やら言葉の数々にさすがの俺も困る。

しかも後ろにひっついてる女集団はその俺に対する質問の答えを待ってるんだかなんだか知らないけど…凄く何かを期待してる目を、してる。


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