君は僕のもの 【続】
…愛梨Side




ヒューッと突然吹いた風に目が薄らと開く。


「……ん、…っ」

薄目を開けて見れば自分の居る場所は屋上で、あの後とりあえず座った場所でだんだん悲しさが込み上げて来て。


泣いちゃったんだっけ…?


どうしていっつもあたしは泣いたり、こういうことで落ち込んだ時に眠っちゃうんだろう。



そう思いながら不思議な気持ちになる。

だけどそれと同じ分だけ今はこの屋上は寒くて寒くて仕方が無い。


少し身体をずらしてみると…肩からバサッと物が落ちて地面に広がる、


…ブレザー?



ふと隣を見て見ると背中を壁に付けたままの状態でスースーッと眠っている人が…人、……樹っ!?


どうしてここに樹がいるの?!

ちょっと困惑気味。


「…っあ……寝てた…。」

薄らと目を開けたあたしとは違い、バチッと驚いた表情をして目を開く樹はそのままクシャッとなった自分の髪の毛を片手でわしゃわしゃとしている。


ちょっと寝ぼけてるのかもしれない、?


「…樹?」

ボーっとした様子の樹に声を掛ける。


「…ックシュ!」

と樹は可愛らしいくしゃみをして鼻水を啜る様な素振りを見せた。


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