ピュアラブ

「ミワコちゃん終わった?」

私のやり終えたタグが付いている商品を見て言った。

「あーはい。終わりました。コイツ、不器用みたいなんで手伝ってるんです。」

チラッとヤツを見ると無表情で手こずりながらタグを付けていた。


「あーじゃあさ、ミワコちゃんこっち来て?」


私は手招きするリョウ先輩に付いて行った。


リョウ先輩は服の畳み方を教えてくれ

「また様子見にくるな」

と店の裏に入って行った。

リョウ先輩が畳んだ服を見本に奮闘する私。

気が付くと、ヤツは違う作業をしていた。


ヤツと私を往復するように、様子を見に来てくれるリョウ先輩。


「昼休憩行ってきなよ」

リョウ先輩の言葉に時計を見るともう12時を回っていた。


「もうそんな時間か…」

「ミワコちゃんはお昼どうしてる?」

リョウ先輩が聞いた。

「昨日はコンビニで適当に買って、店の裏で食べました」

私は服を整理しながら言った。

「あっ!リョウ先輩先に行って下さいよ!私、まだそんなにお腹空いてないんで。」

その時、


ギュルルー


私のお腹が鳴った。


恥ずかしい!
なんて腹してんだ、私の腹は!


なんて1人頭の中で会話してた。

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