ピュアラブ
しばらくすると本当の先輩が来て、さっき'国谷祐'にした程の勢いはなかったけれど、元気に挨拶をした。
'国谷祐'も挨拶をしていた。
結局この日、オープンからの時間は私と'国谷祐'を含め、4人だった。
リョウ先輩とサヤ先輩。
と私と'国谷祐'。
サヤ先輩が店の事を色々教えてくれた。
私は一度じゃ覚えきれない為、持参したノートに書き込んでいった。
'国谷祐'はそんな事はおろか、本当に話を聞いているのか…?
みたいな態度だった。
一通りの説明を受け、私と'国谷祐'は商品の陳列を頼まれた。
私は一生懸命。
ちらっと'国谷祐'…ヤツを見るとコイツやる気あんの?
みたいに私は見えた。
2人、一言もしゃべらず、陳列をする。
そんな沈黙を破ったのは私。
「アンタ、やる気ある?」
ちらっと見ながら言うとヤツは
「やる気ないならこんな事しねぇだろ」
と、しれっと答えた。
まぁそれもそうだと思いながら、またヤツを見た。
ズボンを腰で履き、ラフなロンT。
頑張って昨日から一生懸命考えてお洒落をした自分が悲しくなる程、ラフな格好だ。