ピュアラブ

「ねぇ…アンタさ、お洒落とか、何かないの?」

再び沈黙を破った。


「お洒落ねぇ…」

私を見ることなく、1人呟くヤツ。


「ってかマジでアンタやる気ある?ぐちゃぐちゃじゃん!」


ヤツの陳列は陳列とは呼べる物ではなく、並べてるだけ。
そんな感じだ。


案の定、後でリョウ先輩にやり直しをさせられていた。


その後は入ってきた古着の整理や在庫整理、要するに裏方の説明を受けた。


私はノートに忘れない様書き込む。
ヤツは相変わらず聞いているのかさえ分からない態度。


新人がこんなんでいいの?

なんて思いながら、在庫整理をまたヤツとした。


そしてまた続く沈黙。


そしてまたそれを破るのは私。

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