ピュアラブ
それから、色々教えてもらい、休憩行っていいよ、と言われたので、財布だけ持って近くのコンビニに向かった。
ヤツはやたらとうるさいマフラーを付けた車でどっかに行った。
このまま戻ってこないんじゃないの?
なんて思っていたけど、休憩時間が終わる頃にちゃんと戻ってきた。
昼からは在庫整理の続きをしたり、どこにどんな商品があるか把握したり、
「早くここに慣れてほしいから」
と言うサヤ先輩に従った。
ヤツは…すごくつまらさそうな顔だ。
「ねぇ…つまんないの?」
ヤツに近付いて言った。
「別に」
また無表情で答える。
「だってさ、アンタ今日ずっと無表情だよ」
そう言うとスタスタと遠くに行ってしまった。
私は、ノートに店の図面を書いて、ここにはこんな商品、等忘れないうちに絵にした。
そんな私のノートを覗き込んだのは、リョウ先輩。
「絵、うまいね」
へぇーと言いそうな顔で私のノートをまじまじと見た。
「絵は好きなんですよ」
そんなにノートを見られちゃ恥ずかしいなんて思いながら言う。
「絵はって嫌いなのは?」
何だか揚げ足をとられた様な気持ちで
「勉強です」
と即答するとハハハッと声を出して笑った。
初めてリョウ先輩としゃべったこの日。
私とヤツが帰る時間が近付くと、店長が出勤した。
私は慌てて挨拶をした。
のとは対照的に何か余裕ぶっこきみたいな感じでヤツも挨拶をしていた。
しばらくすると、リョウ先輩は店長に呼ばれ、店の奥の部屋に入って行った。
そして19時。
サヤ先輩が「2人ともあがっていいよ」と言ってくれたので私はペコリと頭を下げ「お先です」と言った。
ヤツも頭を下げてる様だった。