ピュアラブ


何故こんなにあっさりと聞けたか分からない。

涙が私の視界を邪魔をする。

部屋にはわたしの嗚咽だけが響いていた。

そんな私の頭を撫でながらリョウ先輩は言った。

「マリ先輩と一緒なんかじゃなかった」

「嘘!だってマリ先輩言ってた!」

ちゃんと伝わったか分からない。

でもしっかりと聞こえた。

「マリ先輩が何言ったか知らねぇけど一緒になんて居なかった。たまたま会っただけ。ほんの5分程しゃべっただけ。」

私はまた声を出して泣いた。

「ミーそれ気にしてた?」

首を縦に振る。

「なぁ、信じろ?俺を信じろ。」

上半身を起こしたリョウ先輩が抱き締める。

私はリョウ先輩の温もりをしっかりと抱き締め返した。

熱があったリョウ先輩は前よりも熱かったけど、余計に私を安心させてくれた。

「信じてくれる?」

ちょっと甘えた様なリョウ先輩の声に私はバカみたいに首を縦に振った。


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