わたし竜王の番(つがい)です  ~気が付けば竜の国~
竜王の番

竜殺し



竜殺しの毒が効かないと言っても毒は毒だからか、それとも刺されたことによるものなのか私はそれから発熱をしてしまった。

医師の処方した解熱剤も魔法省長官のリチャードさまの魔法でも解熱しないことで周りの者を大層心配させてしまったのだが、そう高熱でもなかったし少し息苦しく眠いだけで周りが大騒ぎするほど私は辛いわけではない。

クリフ様が戻ってくるまで少し寝て体力を回復しておこうと人払いをして眠りについた。

侍女もメイドも竜王の命令もあり、離れることを嫌がったけれど同じ部屋に他人がいると気になって眠れないのだ。

だってみんな心配そうに私の様子を窺っているから。

その代わり・・・といつもの3倍の護衛が窓の外、ドアの向こうにいて、私のベッドの周りや枕元にはいろいろの魔石が置かれていた。

回復、異常検知、不審者侵入センサー、連絡用インターホンみたいなもの、アロマの香りがするもの、用途不明のモノも何やらたくさん。

枕元もベッドサイドのテーブルも石だらけなんだけど。

始終顔をのぞき込まれて皆に不安げな顔をされるよりはずっとましだと思い我慢することにした。

だけど、ネリが持ってきた今竜の国で評判のイケメン竜と恋に落ちる夢が見られるという魔石だけはネリに持って帰らせた。
それはクリフ様に見つかると後がうるさいだろうから。
ちょっと見てみたかったけどね。
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