わたし竜王の番(つがい)です  ~気が付けば竜の国~
うんうん、わかったわかったとパメラさんも宥めて、私は面会に備えてガウンを着せてもらいクッションを何個も使って背当てにしてもらった。

パメラさんの言うこともわかる。
ここまでの一連の出来事が全てマルドネス様の親戚関係絡みなのだから。

ヤナーバル様はマルドネス様の姉の夫の父親。
ミーナ様は姉の娘。
ナイフを向けた侍女は姉の紹介で身重のアリアナ様の侍女になった女。

全てがマルドネス様のお姉さまに繋がっている。
人々の疑惑の目はマルドネス様にも向けられていた。

ノックの音がしてマルドネス様とアリアナ様の来訪が告げられた。

お二人は入って来るなり、膝を床に付け首を垂れてしまったので仰天した。

「この度は私の姉の嫁ぎ先が楓さまに取り返しのつかないご無礼をーーー」とマルドネス様がはじめたので更に心臓が縮みあがり心の中で悲鳴をあげた。

「お止め下さい、マルドネス様。それにアリアナ様もお顔を上げて下さい。そのような格好ではお腹の子も苦しくなってしまうし、アリアナ様のお身体が。
リクハルドさん、椅子を、ううん、窓辺のソファーをここに運んでちょうだい。お二人に座っていただいてー」

「いえ、それは」ダメだとと言い出したマルドネス様に
「では私も床に下ります」と身体を起こしベッドから出ようと足を出したら、これにはマルドネス様とアリアナ様だけでなく私の侍女たちも一気に顔色を変えた。

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