わたし竜王の番(つがい)です  ~気が付けば竜の国~
竜王は死に、女神は呪われた身体で竜王の子どもを産んで亡くなった。なんとも切ない話だ。

クリフ様の話を頷いて聞いていたのだけれど、ふと疑問が残る。

「その後魔女はどうなったの?」

「魔女は呪いを解くように竜たちによって責め立てられたが拒否して牢の中で自害したよ。でも、楓の疑問は魔女のことなの?それよりも先になぜ今回自分が呪われたかを聞かなくていいのか?」

「え?あ、そうなんだけど。でも私が呪われたのはその竜王の子孫のクリフ様と、えーっと、その、すっ、好き合ってるからーーーでしょ?」

両親の前で何という羞恥プレイだ。愛し合ってるとはさすがに言えない。
本当に勘弁して欲しい。

あ、ほら、お父さんがクリフ様を睨んでるし。お母さんはニヤニヤしてる。

そんな両親の視線を一切無視できるとはクリフ様はさすが竜王様なんだけど。
私の赤くなった顔を満足げに見つめてから、クリフ様は爆弾発言をした。

「ただの番や恋人だったなら刺されてもおそらくこんな問題にはならなかったはずだ。楓が呪われてしまったのは・・・・楓には女神の血が入っているからだ。そうですよね?ご両親」

ええええー
ーーーそんなの聞いてない。
私は即座に両親の顔を見た。

二人は私の視線を受けてゆっくりと頷いた。

「”救国の旅人”は女神の国に住む女神の血筋の一族から選ばれるのよ」

母の言葉に頭が真っ白になった。

女神の血筋の一族?

「今まで黙っていたのは話すタイミングがなかったってこともあるけれど、特に話す必要もなかったから」
うんうん、と頷く両親を思わず白い目で見つめてしまった。

必要なかった?
それってどういう判断なの。
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