わたし竜王の番(つがい)です ~気が付けば竜の国~
いろいろな人を紹介されたけれど、時に大切だと思ったのが赤い髪のマルドネス様。
クリフ様の従兄弟にあたり王位継承権を持つ前王弟の息子さんだという。
クリフ様の気高く精悍な印象と違い甘いマスクに柔らかそうな赤い髪。
「やあ、キミが竜王様の番なんだね。よろしく」
王族とは思えないほどの気軽さで私に声をかけてくれた。
「一人ぼっちの竜王に支えができて私は本当に嬉しいよ。これから頼むね」
マルドネス様が微笑むと「もういいだろ」とクリフ様が遮り、マルドネス様は苦笑しながら近くにあった椅子を引き寄せて私と反対側のクリフ様の隣に陣取った。
「竜王陛下。今後の仕事の配分について相談しようじゃないか」
何か腹にイチモツ抱えていそうな笑顔だけれど、お二人の話す姿を見る限り悪い関係ではないらしい。いや、ずいぶんと仲がよさそうだ。
「楓さま、どうかこちらへ来てくださいまし。私たちも楓さまとお話がしたいんです」
するすると人波をかき分けて私の前に進み出てきたのはあの美人侍女さまのオリエッタさんで、彼女の指さす方向にはキラキラと目を輝かせている8人ほどの女性陣のテーブルがあった。
騎士服の女性や着替えを手伝ってくれたメイドの二人の姿も見える。
先ほどは軽く挨拶をしただけだったので是非とも私も話をしてみたい。
「クリフ様、よろしいですか?」
「ああ、行っておいで。いろいろ話を聞くといい。でも、何かあったらすぐに戻ってくるんだよ。オリエッタ、楓を宜しく」
「畏まりました。楓さまをお預かりいたします」
お手をどうぞとオリエッタさんに手を引かれ私は立ち上がる。
普段なら立ち上がるのに他人の手を借りる必要はないのだけれど、慣れないドレスを着ていてはなにぶん動きにくいことこの上ない。
「助かります」と無理せずオリエッタさんの手をお借りした。
クリフ様の従兄弟にあたり王位継承権を持つ前王弟の息子さんだという。
クリフ様の気高く精悍な印象と違い甘いマスクに柔らかそうな赤い髪。
「やあ、キミが竜王様の番なんだね。よろしく」
王族とは思えないほどの気軽さで私に声をかけてくれた。
「一人ぼっちの竜王に支えができて私は本当に嬉しいよ。これから頼むね」
マルドネス様が微笑むと「もういいだろ」とクリフ様が遮り、マルドネス様は苦笑しながら近くにあった椅子を引き寄せて私と反対側のクリフ様の隣に陣取った。
「竜王陛下。今後の仕事の配分について相談しようじゃないか」
何か腹にイチモツ抱えていそうな笑顔だけれど、お二人の話す姿を見る限り悪い関係ではないらしい。いや、ずいぶんと仲がよさそうだ。
「楓さま、どうかこちらへ来てくださいまし。私たちも楓さまとお話がしたいんです」
するすると人波をかき分けて私の前に進み出てきたのはあの美人侍女さまのオリエッタさんで、彼女の指さす方向にはキラキラと目を輝かせている8人ほどの女性陣のテーブルがあった。
騎士服の女性や着替えを手伝ってくれたメイドの二人の姿も見える。
先ほどは軽く挨拶をしただけだったので是非とも私も話をしてみたい。
「クリフ様、よろしいですか?」
「ああ、行っておいで。いろいろ話を聞くといい。でも、何かあったらすぐに戻ってくるんだよ。オリエッタ、楓を宜しく」
「畏まりました。楓さまをお預かりいたします」
お手をどうぞとオリエッタさんに手を引かれ私は立ち上がる。
普段なら立ち上がるのに他人の手を借りる必要はないのだけれど、慣れないドレスを着ていてはなにぶん動きにくいことこの上ない。
「助かります」と無理せずオリエッタさんの手をお借りした。