わたし竜王の番(つがい)です ~気が付けば竜の国~
深く頷くとまた新たなグラスを差し出された。
「楓さま、こちらは満月の滴です」
今度はダークブルーの中に金箔のようなものが浮かんでいる。
少し口をつけるときりりと冷やしたした日本酒のような味がする。
香りはフルーティーな柑橘系を思わせる。
「美味しいけれど、香り程甘くはないのね」
「そうなんです。楓さまは甘い方がお好きですか?」
「カクテルなら甘めの方が好きです。でも、ビールやワインも好きだから、なんでも甘い方が良いというわけじゃないですけど」
「では、こちらは」
スプーンと共に差し出されたのは水色のぷるるんっとした緩いゼリー状のものだった。角切りにした色とりどりのフルーツと共にデザートグラスに盛り付けられている。
「口直しのスイーツのように見えますがこれもアルコールです」
へぇー。
とっても綺麗。
スプーンですくいあげると、見た目通りぷるぷるとしている。
口に運んだ途端、甘酸っぱい香りと強い甘み、それと強いアルコールが身体に浸透する。
うわっ、濃い。
すごく強いアルコール。
見た目は女子ウケするデザートスイーツみたいだけど、コレ絶対にやばいやつだ。
香りと甘みで強いアルコールをごまかそうとしてる?
「その通りです。これはレディーキラーの一つ。”空色の誘惑”と呼ばれているものです。不埒なことを企むどうしようもない男どもがこれでいたいけな女子を酔わせてしまうという危険なデザートです。
楓さまに知っていただくためにあえて提供させていただきました。ご無礼をお許しくださいませ」
オリエッタ様が胸に手を当て深く頭を下げるので私も慌ててしまう。
「いえいえ、教えていただいて感謝します。無礼だなんてとんでもない」
両手をパタパタと振って「もっと教えて下さい」とお願いすると、騎士のビエラ様達が笑い出した。
「楓さまの知識が深くなればクリフォード様の心配が一つ減るかもしれませんね。反対にクリフォード様のお邪魔をしてしまう可能性もありますけど。ふふっ。ご協力いたしましょう」
そうして、女子会は食事よりもお酒がメインにと代わっていったのだった。
ーーー私が覚えているのはそこまで。
「楓さま、こちらは満月の滴です」
今度はダークブルーの中に金箔のようなものが浮かんでいる。
少し口をつけるときりりと冷やしたした日本酒のような味がする。
香りはフルーティーな柑橘系を思わせる。
「美味しいけれど、香り程甘くはないのね」
「そうなんです。楓さまは甘い方がお好きですか?」
「カクテルなら甘めの方が好きです。でも、ビールやワインも好きだから、なんでも甘い方が良いというわけじゃないですけど」
「では、こちらは」
スプーンと共に差し出されたのは水色のぷるるんっとした緩いゼリー状のものだった。角切りにした色とりどりのフルーツと共にデザートグラスに盛り付けられている。
「口直しのスイーツのように見えますがこれもアルコールです」
へぇー。
とっても綺麗。
スプーンですくいあげると、見た目通りぷるぷるとしている。
口に運んだ途端、甘酸っぱい香りと強い甘み、それと強いアルコールが身体に浸透する。
うわっ、濃い。
すごく強いアルコール。
見た目は女子ウケするデザートスイーツみたいだけど、コレ絶対にやばいやつだ。
香りと甘みで強いアルコールをごまかそうとしてる?
「その通りです。これはレディーキラーの一つ。”空色の誘惑”と呼ばれているものです。不埒なことを企むどうしようもない男どもがこれでいたいけな女子を酔わせてしまうという危険なデザートです。
楓さまに知っていただくためにあえて提供させていただきました。ご無礼をお許しくださいませ」
オリエッタ様が胸に手を当て深く頭を下げるので私も慌ててしまう。
「いえいえ、教えていただいて感謝します。無礼だなんてとんでもない」
両手をパタパタと振って「もっと教えて下さい」とお願いすると、騎士のビエラ様達が笑い出した。
「楓さまの知識が深くなればクリフォード様の心配が一つ減るかもしれませんね。反対にクリフォード様のお邪魔をしてしまう可能性もありますけど。ふふっ。ご協力いたしましょう」
そうして、女子会は食事よりもお酒がメインにと代わっていったのだった。
ーーー私が覚えているのはそこまで。