わたし竜王の番(つがい)です ~気が付けば竜の国~
「ここの存在を知るのは各国の政府要人のみです。今ある国の元首は必ず遠く祖先に竜の血が流れている者たちなのです。ですから皆、この国の存在を知っております。そうして、国の間に何か問題がある時には我らに協力を仰ぐのです。
ここ何千年と言う間、竜の国が人知れず地上の平和を守ってきました。
竜がその存在を隠したのは竜の強すぎる”気”にあります。楓さまも体験されたでしょう。クリフォードさまの気を」
はいと頷くと、ダニングさんは表情を変えず話を続けた。
「権力を欲するものはより強い力を欲します。今の地上の元首たちには竜の力はありません。残っているのは記憶だけです。強い力があるのは天上界と呼ばれる我ら竜の国の竜だけ。
ーーー巧みに地上の者たちから竜の国を隠しています。地上に降りた際には我々はどこかの国の超VIPという扱いなのです。
この国の場所は常に雲と魔法の障壁で覆われ、どんな飛行機もこの周辺を飛ぶことは許されない航空禁止区域になっています。
仮にロケットがとんできても当たりませんが。
だいたいですが極北のかなり上空にありますが空中にある島なので移動することも可能です」
国家規模、世界規模の話に理解するのが大変だ。
「楓さんをここにお連れするときに、何回もどのくらいかかるのかとかどうやって行くのか聞かれても明確に答えることができなかったのは、こういう事情があったのです」
もうしわけございません、とリクハルドさんに言われて思い出した。
何回聞いてもはっきりと答えてもらえなかった。クリフォード様から口止めされているようなことまで言われて。
「もう一つ、謝罪しなければいけないことがあります。実はあの時に飲んでいただいた薬は睡眠薬だったのです。隠しておりまして申し訳ございません」
ダニングさんが深々と頭を下げる。
そうか、だから急に眠くなったんだ。
今までも飲んだことがあったクスリだった。今まであんなに眠くなったことはないし長く眠ってしまうこともなかった。
「ここの国への移動方法を知られるわけにはいかなかったものですから」
「事情は分かりました。それで、私を連れてここに移動した方法ですけど、この食べ物と同じでどなたかの魔法で移動したってことでしょうか?」
地上には魔法は存在しない。確かに魔法を見られるわけにはいかなかっただろう。
ここ何千年と言う間、竜の国が人知れず地上の平和を守ってきました。
竜がその存在を隠したのは竜の強すぎる”気”にあります。楓さまも体験されたでしょう。クリフォードさまの気を」
はいと頷くと、ダニングさんは表情を変えず話を続けた。
「権力を欲するものはより強い力を欲します。今の地上の元首たちには竜の力はありません。残っているのは記憶だけです。強い力があるのは天上界と呼ばれる我ら竜の国の竜だけ。
ーーー巧みに地上の者たちから竜の国を隠しています。地上に降りた際には我々はどこかの国の超VIPという扱いなのです。
この国の場所は常に雲と魔法の障壁で覆われ、どんな飛行機もこの周辺を飛ぶことは許されない航空禁止区域になっています。
仮にロケットがとんできても当たりませんが。
だいたいですが極北のかなり上空にありますが空中にある島なので移動することも可能です」
国家規模、世界規模の話に理解するのが大変だ。
「楓さんをここにお連れするときに、何回もどのくらいかかるのかとかどうやって行くのか聞かれても明確に答えることができなかったのは、こういう事情があったのです」
もうしわけございません、とリクハルドさんに言われて思い出した。
何回聞いてもはっきりと答えてもらえなかった。クリフォード様から口止めされているようなことまで言われて。
「もう一つ、謝罪しなければいけないことがあります。実はあの時に飲んでいただいた薬は睡眠薬だったのです。隠しておりまして申し訳ございません」
ダニングさんが深々と頭を下げる。
そうか、だから急に眠くなったんだ。
今までも飲んだことがあったクスリだった。今まであんなに眠くなったことはないし長く眠ってしまうこともなかった。
「ここの国への移動方法を知られるわけにはいかなかったものですから」
「事情は分かりました。それで、私を連れてここに移動した方法ですけど、この食べ物と同じでどなたかの魔法で移動したってことでしょうか?」
地上には魔法は存在しない。確かに魔法を見られるわけにはいかなかっただろう。