わたし竜王の番(つがい)です  ~気が付けば竜の国~
「今のお話の全てが理解できたわけじゃないですけど、いろいろなつじつまが合いました」

「ラウルさん、リクハルドさん、お世話をおかけしました。寝ている私は重かったのではないですか」
背中に乗せてもらった記憶はないけれど、クリフ様とダニングさんがそう言うのだからそうなのだろう。

お二人に頭を下げてお礼を言った。
とりあえず、クリフ様のことはスルー。
気を入れていたのは多分口からだろうし、そもそも私が望んでここに来たわけじゃない。
こちらを見ているクリフ様にはツンっと顔を背けてやった。

「くくく。楓さんやっぱおもしれー。うちのかみさんの言う通りだ」
ラウルさんがこらえきれずといった風に笑い出した。

「ビエラさんがラウルさんに何と言ったのか大変気になるんですけど、それよりも教えて下さいませ。先ほどお二人は狼の一族だとお聞きしたように思うのですが、狼族が竜に変化して空を飛ぶことが可能なんですか?」

「ああ、狼族ではあるんだが、俺たちには遠く竜の血も混ざっている。普通ならこの程度じゃ変化できないがこの竜王様が力を貸してくれると、あら不思議、竜の力が強くなるんだ」

なるほど。
さすがは竜王さまってことか。
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