。。折れた羽根、虹の架け橋。。②
「あげはちゃん!」


あたしを呼ぶ舞ちゃんの声。

あ、舞ちゃんだ。
舞ちゃんは、看護師さんだから安心安心。

舞ちゃんに、あたしを気付かせたくて手を伸ばしかけてやめた。



あれ?
動かない。




動けない身体は何かに、拘束されているみたいな感じ。







「あげは、大丈夫なんですか?」



白の声。




切なげな白の声が聞こえた。


白ーーーー、なんでそんな切なげな声なの?







白、あたしは大丈夫!!
そう言えるなら言いたい。




だけど意識がはっきりしない。
どうしてーーーーって気づいた時。


腕に繋がられた点滴。

少ない意識の中で、聞こえて来た声。







「移植しないと、難しい。
家族の方が、居れば大丈夫」






先生の優しい様で残酷な言葉は、
あたしの瞳を、閉じさせた。




家族なんて居ない。



居なくなってしまった。




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