闇の果ては光となりて
「会わせたんだから、もういいか?」
いや、霧生それは早すぎじゃないかな。
「もう、この子はせっかちねぇ。私は神楽ちゃんともっとお話するわよ」
「···チッ」
なぜ、そこで舌打ちするのよ、霧生。
不貞腐れたようにそっぽを向いた霧生は、まるで子供みたいだ。
いつも大人びてる霧生だけど、家に帰ってきたら普通の高校生に戻るのかも知れないな。
「この子ったら、私が若くして生んじゃったから育て方間違ったのかしらねぇ」
「えっ?」
「私、霧生の事を高2の終わりに生んじゃったのよね」
エヘッと舌を出した瑠奈さん。
簡単に露としたけど、それ凄い事ですよ。
「ところで、神楽ちゃんはいくつなの?」
「8月が来たら16歳になります」
「そう···霧生とは2つ違いなのねぇ」
「あ、はい」
頷いた私に、瑠奈さんは考える様な仕草を見せた。
瑠奈さんは私の年の頃に妊娠したって事だよね。
「神楽ちゃん、お家の事を聞くのは失礼だと思うんだけど。神楽ちゃんのお母さんの名前はもしかして美琴って名前じゃない?」
神妙な面持ちでそう聞いてきた瑠奈さんに、首を傾げた。
どうして、お母さんの名前を知ってるんだろうかと。
「···あ、はい、そうです」
あの人に聞いた事は無いけど、お祖母ちゃんがそう呼んでいたのを聞いた事がある。
「やっぱり! 貴方は仁君と美琴の子供なのね」
両手を合わせて興奮した瑠奈さんは、目を輝かせ前のめりにこちらへと身を寄せる。
聞き覚えの無い名前が出た事に、私は困惑するしか無かった。
仁って···誰だろう。
「母さん、ちょっと落ち着け。神楽が困ってるだろうがよ」
霧生は私を抱きしめると瑠奈さんを睨み付けた。
「あ、そうよね。神楽ちゃんごめんなさい。私、懐かしくてつい興奮しちゃったわ」
瑠奈さんが眉を下げて悲しそうな顔になる。
そんな顔、させたかった訳じゃないんです。
ただ、何も分からなくて···。
「母さん、神楽の親の事知ってんの?」
私の疑問を霧生が代わりに聞いてくれる。
「美琴とは親友だったわ。私達は中学で知り合ったの。勝ち気で人気者だった美琴が大人しくてイジメの標的になってた私を助けてくれたのが切欠。それから少しずつ話すようになって、気が付いたら私達は仲良くなっていたわ。大人になってもずっと一緒だって約束までした仲だったのよ」
私の知らないお母さんがそこにはいた。
ツッキーと私みたいだなんて、ぼんやりと思う。
「神楽···大丈夫か?」
自分の膝に乗せた手を見つめていた私を、霧生が心配した様に覗き込む。
「あ···うん」
「神楽ちゃん、顔色が悪いからこの話は止めましょうか?」
瑠奈さんにまで心配かけてるよ。
「大丈夫です。良かったら続きをお願いします。私、自分の父親の事を何も知らないんです」
聞かなきゃいけない気がしたんだ。
いや、霧生それは早すぎじゃないかな。
「もう、この子はせっかちねぇ。私は神楽ちゃんともっとお話するわよ」
「···チッ」
なぜ、そこで舌打ちするのよ、霧生。
不貞腐れたようにそっぽを向いた霧生は、まるで子供みたいだ。
いつも大人びてる霧生だけど、家に帰ってきたら普通の高校生に戻るのかも知れないな。
「この子ったら、私が若くして生んじゃったから育て方間違ったのかしらねぇ」
「えっ?」
「私、霧生の事を高2の終わりに生んじゃったのよね」
エヘッと舌を出した瑠奈さん。
簡単に露としたけど、それ凄い事ですよ。
「ところで、神楽ちゃんはいくつなの?」
「8月が来たら16歳になります」
「そう···霧生とは2つ違いなのねぇ」
「あ、はい」
頷いた私に、瑠奈さんは考える様な仕草を見せた。
瑠奈さんは私の年の頃に妊娠したって事だよね。
「神楽ちゃん、お家の事を聞くのは失礼だと思うんだけど。神楽ちゃんのお母さんの名前はもしかして美琴って名前じゃない?」
神妙な面持ちでそう聞いてきた瑠奈さんに、首を傾げた。
どうして、お母さんの名前を知ってるんだろうかと。
「···あ、はい、そうです」
あの人に聞いた事は無いけど、お祖母ちゃんがそう呼んでいたのを聞いた事がある。
「やっぱり! 貴方は仁君と美琴の子供なのね」
両手を合わせて興奮した瑠奈さんは、目を輝かせ前のめりにこちらへと身を寄せる。
聞き覚えの無い名前が出た事に、私は困惑するしか無かった。
仁って···誰だろう。
「母さん、ちょっと落ち着け。神楽が困ってるだろうがよ」
霧生は私を抱きしめると瑠奈さんを睨み付けた。
「あ、そうよね。神楽ちゃんごめんなさい。私、懐かしくてつい興奮しちゃったわ」
瑠奈さんが眉を下げて悲しそうな顔になる。
そんな顔、させたかった訳じゃないんです。
ただ、何も分からなくて···。
「母さん、神楽の親の事知ってんの?」
私の疑問を霧生が代わりに聞いてくれる。
「美琴とは親友だったわ。私達は中学で知り合ったの。勝ち気で人気者だった美琴が大人しくてイジメの標的になってた私を助けてくれたのが切欠。それから少しずつ話すようになって、気が付いたら私達は仲良くなっていたわ。大人になってもずっと一緒だって約束までした仲だったのよ」
私の知らないお母さんがそこにはいた。
ツッキーと私みたいだなんて、ぼんやりと思う。
「神楽···大丈夫か?」
自分の膝に乗せた手を見つめていた私を、霧生が心配した様に覗き込む。
「あ···うん」
「神楽ちゃん、顔色が悪いからこの話は止めましょうか?」
瑠奈さんにまで心配かけてるよ。
「大丈夫です。良かったら続きをお願いします。私、自分の父親の事を何も知らないんです」
聞かなきゃいけない気がしたんだ。