闇の果ては光となりて
その日は思いの他早くやって来た。
まぁ、時間の流れは普段と変わらないんだけど、私の体感ではいつもの三倍は早く時間が流れた様な気がするよ。
七月七日の夜の天気は晴れ。
真っ暗になった空には、沢山の星が煌いて見える。
天の川がより一際輝いていた。
今年の彦星と織姫は、無事に会えるだろうね。
「あ〜星が綺麗だな。あの星に私はなりたい」
夜空を見上げながら現実逃避していた私の頭を指先で小突いたのはツッキー。
「ちょっと、何を夢見る少女になってるのよ」
「ちょっとした冗談だよ」
振り返り呆れ顔のツッキーにそう返す。
今夜のツッキーの出で立ちは先細りの黒いデニムに白いシャツに黒いフード付きのパーカー。
見た目ヤンキー感が半端ない。
対する私は、ホワイトデニムのショートパンツにギンガムチェックのベルスリーブブラウス。
袖と腰の部分に絞りが入っていて、ちょっとお気に入りの一品。
その上から総長から、今朝受け取った足首まである長くて白い特攻服を羽織ってる。
総長から手渡された時は、凄く感動したんだよね。
「もっと面白い冗談を言いなさいよね」
「え? 私に何を求めてるの?」
「面白さに決まってるでしょう」
「そんな物求めないで」
「面白くないわね、神楽の癖に」
「私の癖にって···」
暴走が始まる前に何だか疲れた気がした。
「それにしても圧巻ね。お揃いの特攻服って洒落てるわ、ムカつくけど」
ツッキーの目線の先には、暴走の準備をし終え待機するチームのメンバーの姿。
真っ黒な特攻服に身を包み、いつもの三倍はみんな格好良く見える。
「うん、格好いいよね。顔までキリッとして見えるもん」
「確かに数倍増しでキラキラしてて格好いいわね」
「えっ?」
ツッキーが素直に認めた事に驚いた。
「何よ?」
「だって、ツッキーって暴走族とか嫌いだから、格好いいって認めるとは思わなかったんだよ」
「確かに今でも暴走族は私の倫理に反するけど。でも、全てを否定したい訳じゃなもの。彼等が彼等なりに今を一生懸命生きてる姿は格好いいわ」
「あ、うん、そっか。ありがとう、ツッキー」
ツッキーがみんなを褒めてくれたのが、凄く嬉しかった。
「幹部のお出ましね。ほら、神楽も行ってきなさいよ」
溜まり場から現れたお揃いの白い特攻服に身を包んだ四人組に、ツッキーは笑みを浮かべ私の背をポンと押した。
「うん」
満面の笑みで頷き、私はみんなの元へと駆け出した。
野良猫の幹部達は、そんな私を笑顔を浮かべ迎えてくれた。
まぁ、時間の流れは普段と変わらないんだけど、私の体感ではいつもの三倍は早く時間が流れた様な気がするよ。
七月七日の夜の天気は晴れ。
真っ暗になった空には、沢山の星が煌いて見える。
天の川がより一際輝いていた。
今年の彦星と織姫は、無事に会えるだろうね。
「あ〜星が綺麗だな。あの星に私はなりたい」
夜空を見上げながら現実逃避していた私の頭を指先で小突いたのはツッキー。
「ちょっと、何を夢見る少女になってるのよ」
「ちょっとした冗談だよ」
振り返り呆れ顔のツッキーにそう返す。
今夜のツッキーの出で立ちは先細りの黒いデニムに白いシャツに黒いフード付きのパーカー。
見た目ヤンキー感が半端ない。
対する私は、ホワイトデニムのショートパンツにギンガムチェックのベルスリーブブラウス。
袖と腰の部分に絞りが入っていて、ちょっとお気に入りの一品。
その上から総長から、今朝受け取った足首まである長くて白い特攻服を羽織ってる。
総長から手渡された時は、凄く感動したんだよね。
「もっと面白い冗談を言いなさいよね」
「え? 私に何を求めてるの?」
「面白さに決まってるでしょう」
「そんな物求めないで」
「面白くないわね、神楽の癖に」
「私の癖にって···」
暴走が始まる前に何だか疲れた気がした。
「それにしても圧巻ね。お揃いの特攻服って洒落てるわ、ムカつくけど」
ツッキーの目線の先には、暴走の準備をし終え待機するチームのメンバーの姿。
真っ黒な特攻服に身を包み、いつもの三倍はみんな格好良く見える。
「うん、格好いいよね。顔までキリッとして見えるもん」
「確かに数倍増しでキラキラしてて格好いいわね」
「えっ?」
ツッキーが素直に認めた事に驚いた。
「何よ?」
「だって、ツッキーって暴走族とか嫌いだから、格好いいって認めるとは思わなかったんだよ」
「確かに今でも暴走族は私の倫理に反するけど。でも、全てを否定したい訳じゃなもの。彼等が彼等なりに今を一生懸命生きてる姿は格好いいわ」
「あ、うん、そっか。ありがとう、ツッキー」
ツッキーがみんなを褒めてくれたのが、凄く嬉しかった。
「幹部のお出ましね。ほら、神楽も行ってきなさいよ」
溜まり場から現れたお揃いの白い特攻服に身を包んだ四人組に、ツッキーは笑みを浮かべ私の背をポンと押した。
「うん」
満面の笑みで頷き、私はみんなの元へと駆け出した。
野良猫の幹部達は、そんな私を笑顔を浮かべ迎えてくれた。