シンデレラは真夜中に踊る
そう言う雫に、北斗はため息をつく。雫はよく北斗をからかってくるが、先輩のようには見えない。北斗の方が年上に見えてしまう。

「先輩、絶対結婚詐欺にあいますよね」

「そう言う北斗くんも怪しいよぉ〜?」

互いにそんなことを言いながら本を探す。一時間ほど本を探し、おすすめの本を並べた。



北斗の通う高校は、全寮制だ。おしゃれな校舎の隣に、それまたおしゃれな寮がある。

寮は一人一部屋あり、その部屋は自分の好きなように家具を置いてもいいことになっている。寮にはみんなが交流できるスペースや、大浴場などがあり設備が整っている。

北斗は自分の部屋に入る。本棚には天文学や星に関する本が並び、壁には星の絵が飾られている。

北斗は、空を見るのが幼い頃から好きだった。特に夜空、たくさんの星がある空を見るのが好きだった。

北斗という名前も、北斗七星から名付けられたのだ。

「……今日は夜には晴れるのか」

北斗はスマホで天気を調べる。今日は星が見たい気分だった。
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