相思相愛ですがなにか?

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その夜、私は伊織さんの部屋の大きなベッドの端に腰かけて、所在なさげに髪を手櫛で梳かしていた。

お風呂で汗を流し、ネグリジェ風のナイトウェアに着替えた私は、やや緊張気味に枕の位置を横目で確認した。

同じベッドで寝るということは“何が”あってもおかしくないということだ。

ひょっとして、ひょっとすると、今宵、初めての夜を迎えるということも考えられる。

こんなこともあろうかと、荷物の中に勝負下着を忍ばせておいて本当に良かった。

さあ、どんとこい!!

「月子ちゃん?」

背後から名前を呼ばれて、心臓がドクンと跳ね上がる。

ゆっくり振り返ると伊織さんは上半身には何も着用せず、たくましい胸板を惜しげもなくさらした状態で、髪をタオルで拭いていた。

……水を滴る良い男過ぎて、直視できない。

早くパジャマを着て欲しいと心の中で願っていると、髪を乾かし終えた伊織さんが上半身もパジャマで覆ってしまい、それはそれで残念な気持ちになる。

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