相思相愛ですがなにか?
(まるで、新婚夫婦みたいだな……)
ネグリジェから覗く胸元には確かなふくらみがあって、ともすればタガが外れて新婚夫婦のように夜の生活に興じたいところだ。
彼女の気持ちが自分に向くまで待つと手を出さないと決めたくせに、いとも容易く禁を破ってしまいそうなる。
そんな意志の弱い自分がたまらなく嫌だった。
「シャワーを浴びてくるから、先に寝ていてくれる?」
俺は月子ちゃんから逃げるようにしてシャワールームに駆け込んだ。
頭を冷やすために低めの温度に設定してひたすらシャワーを浴び、身体に秘める熱情がいくらかマシになったところで、ようやく部屋に戻れば月子ちゃんはまだ起きていて俺を待っていた。
「夜更かしは美容の大敵じゃないの?」
髪をタオルで拭きながらからかうように言うと、月子ちゃんが俺の胸に手を当て軽く背伸びをした。
「おやすみのキスがまだだったから」
そう言って、俺の頬にキスを落とす彼女の無垢な笑顔を見て俺は危険を感じた。