相思相愛ですがなにか?

(今日はこのまま寝かせておいてあげよう……)

無防備な寝顔に毒気を抜かれ、急にやる気が削がれてしまった。

その代わりに、すうすうと寝息を立てている伊織さんを見て、かつてないほどの胸のときめきを感じていた。

(好き……)

寝ている姿すら格好よくって、私はベッドサイドに置いてあった携帯をとりにいき、伊織さんには内緒で寝姿を写真に収めたのだった。

(家宝にしよう……)

伊織さんの貴重な寝顔を拝めたことで前日までの焦燥感が薄れると、急に悪戯心が芽生え始める。

カウチソファにはまだ一人分ぐらいのスペースが空いていた。

(ちょっとくらい……いいよね?)

ほんの出来心だ。たとえ見つかったとしても、謝ればいいだけだ。

私はごろにゃんとカウチソファに身をうずめ、伊織さんにぎゅうっと抱き着いた。

……いい。想像以上にすごくいい!!

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