相思相愛ですがなにか?

結婚パーティーが始まり、新郎新婦が会場に登場すると辺りから口笛や拍手が沸き上がる。

合わせて200人ほどの招待客全員で乾杯を終えると、私は早速新婦に挨拶に向かった。

「結婚おめでとう、カレン!!」

カレンに駆け寄り、手を取り合って結婚を祝福する。

長身でスリムな体型のカレンにはマーメイド型のウェディングドレスが良く似合っていた。

「月子こそ、婚約おめでとう。そちらがお相手の方?」

「藤堂伊織です。結婚おめでとうございます」

一瞬、カレンが伊織さんを気に入ってしまったらどうしようかと心配になったが、それは余計なお世話だった。

新郎に夢中なカレンには、伊織さんの姿は私の添え物としか見えていないようだった。

「今日はふたりとも楽しんでいってね」

本日の主役に挨拶しようと順番待ちしている招待客が後ろに控えている中、カレンが私に最後にハグをする。

「……月子に言われた通りに頼んでおいたわよ」

伊織さんに聞こえないようにこっそりと耳打ちされ、私はニッコリとカレンに微笑みかけた。

「今度ご飯行こうね。おごるわ」

「もちろん」

ああ、女同士の友情って本当に素晴らしいわね?

< 130 / 237 >

この作品をシェア

pagetop