相思相愛ですがなにか?

「急用ってなんだよ」

私は召喚に応じたお兄ちゃんの腕に強引に巻きついて、例のバーの入り口を見せた。

「お兄ちゃん、あのバーのオーナーよね!?」

「そうだけど……」

ビンゴ!!

私は自分の引きの良さを自画自賛し、思い切りガッツポーズをした。

お兄ちゃんが趣味でこういう類の飲食店を多数経営しているのを、記憶の片隅に置いておいて良かった!!

私は喜び勇んでお兄ちゃんにお願いするのだった。

「私を店の中に連れてって!!」

「はあ?何で?」

「何でも!!」

私は決まり通りに手を合わせ、お願いポーズでお兄ちゃんに懇願した。

店の中に入れてくれるなら、この間役立たずって罵ったことも謝るから!!

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