相思相愛ですがなにか?

「ちょっと!!アスキム!!むやみやたらと口説かないの!!」

「魅力的な女性を口説くのは我が国では挨拶のようなものだ」

「へー。私、あなたに口説かれたことありませんけど?」

「私が口説かない女性は母上と姉上とお前ぐらいのものだ」

つまりはアスキムにとって私は女というよりは口やかましい女親族と同じようなものだと。

いけしゃあしゃあとのたまうアスキムに、万が一勝手の違う日本でセクハラで訴えられても擁護しないことを心に誓う。

いきなりキスされた秘書は取り乱しはしなかったものの、頬に朱がさしたまま、そそくさと執務室から出て行ったのである。

「随分と仲がよろしいようですね?」

伊織さんは、私とアスキムのフレンドリーを通り越した殺伐とした会話に、興味を引かれずにはいられないようだ。

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