相思相愛ですがなにか?
怒った私はお兄ちゃんにクドクドと日頃の鬱憤を吐き出すことで、溜飲を下げるのであった。

ところが、温泉旅館の話を聞いたアスキムは腹を抱えて大爆笑している。

「それは面白そうだ!!旅館が出来たらぜひ招待してくれ!!」

「ええ!!ぜひとも」

お兄ちゃんは理解者が現れことで俄然やる気が漲ったのか、アスキムとがっしりと固い握手を交わした。

このふたり、今朝会ったばかりのくせに、もう仲良くなっている。

変人同士、お兄ちゃんと馬が合うのか。

いいや、この場合はラクダが合っていると言うべきなのか。

「月子も新婚旅行で来てもいいぞ。旅館が出来るのはお前のおかげだからな」

お兄ちゃんが気前よく招待してくれたが、私は頬をひくつか、誰が行くものですかと、心の中で呟いたのだった。

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