相思相愛ですがなにか?

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俺が月子ちゃんのことを女性として初めて意識したのは5年前、とあるパーティーに招待された時のことだった。

「お久しぶりです。伊織さん」

パーティー会場に現れた月子ちゃんを見た瞬間、俺は度肝を抜かれた。

「今日はお兄ちゃんが無理言ったみたいで……すみません」

「いや……」

風邪をこじらせた冬季緒の名代としてパーティーに出席することなった月子ちゃんのエスコートを引き受けたのは、まだ二十歳そこそこの彼女を悪しき男性たちから守らなければという使命感に駆られたからだったが。

それが、どうだ?

騎士の役目を仰せつかったのにも関わらず、俺は月子ちゃんから目が離せないでいる。

真珠のように美しい肌。薔薇の色を写し取ったような唇。仄かに香る甘い匂い。

まだあどけなさの残る顔立ちに垣間見える女性としての艶やかさは誰もが一度は振り返る。

デコルテと肩がレースで覆われた紺色のパーティードレスに身を包んだ彼女は、しばらく見ない間に大人の女性へと変貌していたのだ。

「行きましょうか」

「あ、ああ……」

年下の月子ちゃんに促されるようにして腕を組み、夢見心地のまま一歩を踏みしたその時だった。

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