極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「あ、変な言い方してごめんね。ほら、政略結婚っていうから同等クラスなのかなって思って」
早紀は慌てたように取り繕った。
彼氏の勤める会社というのもあり、ツキシマ海運のことが気になるのかもしれない。
「そうですよね。実は、父の多額の借金をツキシマ海運が肩代わりしてくださることになりまして……」
「……そのかわりに結婚を?」
早紀は大きく目を開き、それから厳しい表情を浮かべた。
借金なんて言わないほうがよかったのかもしれない。余計な心配をさせてしまったのではないか。
言ってから気づいたところでもう遅かった。