極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

◇◇◇

滞りなく式は終わり、そのまま庭での立食パーティーとなった。
ビュッフェスタイルのため、それぞれが思い思いに料理をとっては歓談している。


「俺のそばにいれば大丈夫だから。不安に思うことはない」


陽奈子の親族は家族のみ。対する貴行は総勢三十人にも及び、アウェー感が半端ない。

その中でも圧倒的なオーラを放っていたのは、貴行の亡くなった父親の姉、智子(ともこ)だ。
ひまわりのようなイエローのパンツスーツを身に着け、パーマでボリュームをもたせたショートカットのヘアはパープル。ふくよかな体型も手伝い、貴行とは別の意味で遠くからでも目を引く人物だった。


「貴行、これはどういうことなの? 私が厳選した縁談には目もくれなかったのに、いきなり結婚なんて言うんだもの。いったいどこのご令嬢かと思ったら……ねぇ」


智子が陽奈子を上から下までざっと眺め、見下したような言い方をする。
ツキシマ海運とはつり合いがとれないと言いたいのだろう。

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