極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
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午後一時から始まった結婚式を終え、着替えを済ませたふたりは新居にやって来た。
陽奈子たちの新居は貴行の実家の広大な敷地内にあり、結婚を見越して一年前に建てられたものだ。
実家同様に白を基調とした外観はスタイリッシュで、高原に建つ近代美術館のようである。
地上二階、地下一階の内部はリビング・ダイニングのほかに六部屋あり、バスルームにいたっては三ヶ所。ふたりで住むには広すぎる気がしてならない。
インテリアデザイナーにコーディネートしてもらった内装は華美ではないものの、落ち着きがあって洗練されている。
掃除が大変だろうなと陽奈子が心配していたら、定期的に家事代行サービスの手配をしてあるという。
陽奈子がこの場所に足を踏み入れるのは、今日で三回目。それも住んでいたアパートから必要なものを運び入れるためだったため、自分の家の実感はまだない。
まるで展示場のような生活感のなさも、それに拍車をかけるのだろう。
貴行はリビングに入るなり、大きく息を吐きながらソファに深く腰を下ろした。
陽奈子の両親ばかりでなく、自分の親戚への気配りで疲れているに違いない。