極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
それと引き換えに、一生愛されないかもしれない覚悟も一応はしたつもりだ。
でも、身体を重ねれば、もしかしたらそこに愛が芽生えるかもしれないという期待があったのも事実。
ただ、ほかに好きな女性がいるのなら話は別になる。
「はぁ……」
陽奈子から漏れたのは、これまでになく大きなため息だった。
「なんだよ、陽奈子ちゃん、本当に大丈夫か?」
次におにぎりを手にした大和は、テーブルに身を乗り出すようにして陽奈子の顔を覗き込んだ。
「あっ、ごめんなさい」
大和の存在をすっかり忘れて、つい長く深いため息をついてしまった。
「なにかあったのなら聞くけど?」
優しいまなざしが陽奈子を見つめる。