極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「なるほど。それでさっきから悩ましい顔をしていたのか。離婚とかそういう話にでも発展したのかと勘繰ったよ」
思いつめたような顔をする陽奈子とは対照的に、大和はやけに明るい顔だ。
神妙な顔をされるよりずっといいけれど。
「もともと気持ちがゼロの状態から始まった結婚だから、そんなもんなんじゃないか?」
「やっぱり仕方ないですか……。ほかに好きな女性がいるわけじゃないんでしょうか」
「それはさすがに俺にもわからないけどね。抱こうと思えばできるのにそれをしないんだから、逆に陽奈子ちゃんのことをきちんと考えているんだと思うよ。でも……」
大和が声をひそませ、もったいぶったように言葉を止める。
ほかになにか感じることでもあるのだろうか。
「……なんでしょうか」
好きな女性では済まないような爆弾発言をされるのではないかと、陽奈子の鼓動が一気に加速していく。
「陽奈子ちゃん、旦那のこと好きなんだな」
「えっ!? どうしてですか!?」