極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

「俺だったら、そんなふうに直球で言われたらうれしいけどね」
「あまりにもストレートすぎますっ」


両手を握りしめ、眉根を寄せて抗議する。


「それじゃ、どうやってその気になったってわかってもらうんだよ。言葉で言わなきゃ気づいてもらえないぞ」


言葉じゃなければ伝わらない。まったくその通りだ。
いくら念じたところで、貴行が超能力者でもないかぎり一生気づいてもらえない。


「……ですよね」


陽奈子の目の前にとてつもなく高い山がそびえ立った。何年かかっても乗り越えられないのではないかと思えるくらいの山だ。
いや、山脈クラスと言ってもいいかもしれない。いっそのことエベレストと言ってしまおうか。


「あ、名案がある」


大和はパチンと指を鳴らしたかと思えば、スタッフルームの隅にあるデスクに置いてあるノートパソコンを持ち出してきた。

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