極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「はい!?」
「口で言えないなら身体で表現するしかない。名案だと思わないか?」
大和はウインクを飛ばし、「どれがいいかなぁ」とあれこれクリックしていく。選ぶ気満々だ。
「ちょっと待ってください! そんなに透けているものは着られません……!」
「〝抱いて〟って言えないなら、旦那をその気にさせるしかないぞ。これを着て旦那の前に立てばイチコロだ。少なくとも俺だったらね」
大和の言葉にそそのかされて、自動的にそんなシーンが脳内再生される。
あられもない姿で貴行に抱きしめられる自分を想像して、顔中が真っ赤になった。
(あれを着れば、なにも言わなくても貴行さんはわかってくれるかも……)
自分勝手な妄想に過ぎないのに、安直な考えにとらわれた。
それだけ切羽詰まっていたのか、それとも大和の誘導が上手だったのか。
「変な女だって思われないでしょうか」
着てみてもいいと思ったそばから、べつの不安が頭をもたげる。