極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

ところが午後十時を回っても、貴行からの連絡は一向にこない。よほど忙しいのか、メッセージは既読にもならなかった。

そうこうしているうちにベッドに入っているせいか、陽奈子の瞼も次第に重くなってくる。
ふわぁと大きなあくびが何度も出た。

(今夜はもう無理かな)

このままでいたら眠ってしまう。いつものパジャマに着替えてリビングで貴行を待とう。
そうは思っても身体は言うことを聞いてくれない。

(あと少し。もう少ししたら下へ行かなきゃ)

そんな考えに反して瞼は否応なしに下りてくる。もはや自分の意思ではどうにもならなくなっていた。

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