極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「あ、あの、え?」
部屋はすっかり明るい。カーテンの隙間から差し込む光が、陽奈子に朝だと教えてくれた。
ベッドサイドの明かりをつけたまま、いつの間にか眠ってしまったようだ。
そこで貴行が一点を見て固まっていることに気づく。陽奈子の顔ではなく、もっと下。
その視線の行き先をたどって自分を見た陽奈子は、一気に目が覚める思いだった。
昨夜、貴行を待つうちに寝入ったため、スケスケのベビードールを着たままだったのだ。
慌てて毛布を引っ張って身体を隠す。
「こ、これはその……!」
夜ならまだしも、朝の光を浴びながら見られて平常心でいるのは無理。恥ずかしさは夜の比ではなかった。
顔どころか耳まで熱い。
「なかなか起きてこないから、どうしたのかと思って」
「そ、そうですよね。ごめんなさい」
結婚してから一週間、陽奈子は毎朝早起きして朝食を作っていた。